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展示構成

第1章

フィンランド陶芸の萌芽-ナショナル・ロマンティシズム

National Romanticism- The Dawning of Finnish Ceramic Art

19世紀末にフィンランドにもたらされたアーツ・アンド・クラフツ運動の影響による伝統への回帰や、ロシアからの独立の気運も相まって、当時世界を席捲していたアール・ヌーヴォーは、同国内においてナショナル・ロマンティシズム(民族的ロマン主義)と称され、独自の発展を遂げることとなりました。そして1900年のパリ万国博覧会において国際的な評価を受けたことが、さらなるナショナリズムの高揚と国内の手工業分野の発展を促しました。本章では、この時期に創業したアイリス工房やアラビア製陶所で製作された、壺や花器などを紹介します。

第2章

近隣諸国の影響を受けて-アール・デコ

Art Deco - With Influences from Neighboring Countries

1920年代には、近隣諸国の影響を受けてきた陶磁器のデザイン性を高めようという動きが生じ、そして1930年代後半になると、フィンランド陶芸が躍進を見せます。この下地となったのは、ヘルシンキにあった美術工芸中央学校での陶芸家育成と、国を代表するアラビア製陶所・美術部門の活動でした。後者では作家たちに自由な制作の場が与えられ、まさにユートピアといえる環境から、数々の傑作が生み出されていきました。本章では、テューラ・ルンドグレンやミハエル・シルキンらによる陶彫を中心に紹介します。

第3章

フィンランド陶芸の確立-オーガニック・モダニズム

Organic Modernism - Fruition of Finnish Ceramic Art

第二次大戦後、フィンランド陶芸は国内に留まらず、ミラノ・トリエンナーレなどの国際展において、世界的に評価されるようになりました。本章では、オーガニック・モダニズムと称された伸びやかで有機的な形態が特徴的なトイニ・ムオナの筒花瓶や、立体造形として陶芸を追求したキュッリッキ・サルメンハーラの壺などを紹介します。

第4章

フィンランド陶芸の展開-ピクトリアリズム

Pictorialism - Global Advancement of Finnish Ceramic Art

フィンランド陶芸を牽引した作家の中には、陶芸の概念を塗り替える作家も現れました。本章では、ビルゲル・カイピアイネンおよびルート・ブリュックらの作品を通して、伝統的な陶板画とは一線を画した、詩情豊かな絵画的表現(ピクトリアリズム)の陶板や皿を紹介します。

第5章

プロダクト・デザイン-フィンランドと日本

Product Designing - Finland’s Individuality and Its Relationship with Japan

おもにアラビア製陶所で生産されたフィンランドの日用品には、隣国スウェーデンの影響が色濃くありました。しかし第二次大戦後、新たなデザインが求められると、同国に倣った機能主義に加えて、日本の美術や工芸にも影響を受けた製品が国内外で人気を博しました。本章では、日本でも人気の高いカイ・フランクらの食器セットなどを紹介します。

【出品数】
陶磁器、ガラス、ポスターなど 137点

主な作品

ビルゲル・カイピアイネン「飾皿(果実)」
1970-80年代 アラビア製陶所
コレクション・カッコネン
©KUVASTO.Helsinki&JASPAR,Tokyo,2018

C2142
photo:Niclas Warius

ビルゲル・カイピアイネン

《彫像「ビーズバード(シャクシギ)」》

1960年頃 アラビア製陶所

個人蔵

©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2142

《花瓶“カレヴァ”》

1906-1914年

アラビア製陶所

コレクション・カッコネン

ミハエル・シルキン

《彫像(梟)》

1950年代 アラビア製陶所

コレクション・カッコネン

©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2429

アラビア製陶所 《ライス・ポーセリン》

デザイン:フリードル・ホルツァー=シャルバリ 1951-1973年

岐阜県現代陶芸美術館蔵

トイニ・ムオナ

《筒花瓶》

1940年代 アラビア製陶所

コレクション・カッコネン

キュッリッキ・サルメンハーラ

《壺》

1957年 アラビア製陶所

コレクション・カッコネン

ルート・ブリュック

《陶板「聖体祭」》

1952–1953年 アラビア製陶所

コレクション・カッコネン

©KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2018 C2429

フィンランド陶芸

芸術家たちのユートピア